ビーイングサウンドが今でも色褪せない理由

90年代J-POP作曲研究

作曲家・織田哲郎と栗林誠一郎から学んだ、本物のJ-POP職人の音楽

90年代から2000年代初頭のJ-POP黄金期を語る上で、「ビーイングサウンド」という言葉は欠かすことができません。

ZARD、WANDS、DEEN、FIELD OF VIEW、MANISH、TUBEなど、数多くのアーティストがこの時代を代表するヒット曲を生み出しました。

その音楽は30年以上経った今でも色褪せることなく、多くの人に愛され続けています。

では、ビーイングサウンドの魅力とは何なのでしょうか。

私自身、30年以上作曲を続けてきましたが、今でもこの時代の音楽から学ぶことが数多くあります。

私が最初に思い浮かべるのは織田哲郎という作曲家

ビーイングサウンドを語る上で、私が真っ先に名前を挙げるのは織田哲郎さんです。

もちろんビーイングには数多くの優れた作曲家が存在します。

しかし、私自身が10代から20代にかけて最も影響を受けたのは織田哲郎さんでした。

世間ではZARDやDEEN、WANDS、TUBEなどへの楽曲提供で知られていますが、私はソロアルバムもよく聴いていました。

そこで感じたのは、単なるポップス作家ではなく、根っこに泥臭いロックが流れている人だということです。

そのロックミュージシャンとしての匂いが、ポップスになっても消えていない。

私はそこが一番好きでした。

泥臭いロックをポップスへ昇華した音楽

ビーイングサウンドは、おしゃれなだけの音楽ではありません。

メロディが美しいだけでもありません。

織田哲郎さんの楽曲には、どこか大人の渋さがあります。

ロックで培った感覚を、そのままポップスへ落とし込んでいるような空気があります。

例えば「世界中の誰よりきっと」を聴いても、単純に明るいポップスでは終わりません。

どこか哀愁があり、ロックを通ってきた人だからこそ書ける深みがあります。

私はその「匂い」こそがビーイングサウンド最大の魅力だと思っています。

栗林誠一郎が作るもう一つのビーイングサウンド

そしてもう一人忘れてはいけないのが栗林誠一郎さんです。

織田哲郎さんとは少し違い、都会的で洗練された空気を持っています。

しかし共通しているものがあります。

それは決して気取っていないことです。

私はこの二人を見ていると、本物の職人という言葉が自然と浮かびます。

自分を目立たせようとするのではなく、作品そのものを完成させることに全力を注ぐ。

その姿勢が曲から伝わってきます。

メロディだけでは説明できない魅力

ビーイングサウンドを分析すると、

「メロディがいい」

「コード進行がいい」

という話になりがちです。

もちろんそれも事実です。

しかし私は、それだけでは説明できないと思っています。

もっと大きいのは、作曲家自身が歩んできた人生が音楽に染み込んでいることです。

ロックをやってきた人。

洋楽を聴き続けてきた人。

数え切れないほどの音楽を吸収し、自分の中で消化してきた人。

その人生そのものが、自然と曲に表れているのです。

だからビーイングサウンドは、どこか人間臭く、温度があり、長く聴いていても飽きません。

シンプルだからこそ難しい

今あらためて当時の楽曲を聴くと、構成自体は非常にシンプルです。

現代のJ-POPのように次々と展開が変わるわけではありません。

しかし、そのシンプルさの中で自然にサビへ導き、聴く人の心へ入り込んでいく。

ここに作曲家としての本当の技術があると思います。

私はビーイングサウンドを聴いていて、

「狙っていることを感じさせない」

という点が本当に素晴らしいと思っています。

もちろん計算して作っているはずです。

しかし、その計算が見えない。

だから聴き手は構えることなく、自然に音楽へ入り込めるのです。

作曲家が主役だった時代

私が90年代のビーイングサウンドに惹かれる理由は、もう一つあります。

それは、作曲家自身が音楽の主役だった時代だからです。

現在の音楽制作では、企画段階から細かな方向性が決められ、作品によってはメロディの動きにまで要望が入ることも珍しくありません。

もちろん、それは現在の制作スタイルであり、多くの優れた作品も生まれています。

しかし、私が憧れた90年代の作曲家たちは、もう少し自由な環境で音楽を作っていました。

当時はよく、

「メロディが降りてくる」

という言葉が使われていました。

インスピレーションを何よりも大切にし、作曲家自身の感性を信じて作品を完成させる。

そうした空気が確かにあった時代です。

そのため、無理に狙った印象がありません。

作曲家の個性が、そのまま音楽になっていました。

引き出しを増やすことが作曲家の仕事だった

私が作曲を学び始めた頃、先輩から何度も言われた言葉があります。

「引き出しを増やせ。」

とにかくたくさんの音楽を聴く。

ジャンルを問わず吸収する。

そして、それを自分の中で消化して、自分だけの音楽へ変えていく。

それが作曲家の仕事だと教わりました。

私は織田哲郎さんや栗林誠一郎さんも、まさにそういう作曲家だったのではないかと思っています。

だからこそ、ビーイングサウンドには流行だけでは終わらない深みがあります。

私が今でもビーイングサウンドを書き続ける理由

私は30年以上作曲を続けてきました。

その中で多くの音楽を作ってきましたが、今でも90年代から2000年代初頭のJ-POP黄金期を書き続けています。

それは懐かしいからではありません。

本物の作曲家たちが、自分の人生や経験を音楽へ自然に落とし込み、狙いを感じさせることなく人の心へ届く作品を生み出していた時代だからです。

私は今でも、その音楽から多くのことを学び続けています。

そして、これからも作曲家として、その時代の魅力を自分なりに作品へ反映させていきたいと思っています。

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FREEBGM RECORDSは、1980年代〜2005年のJ-POPスタイルをテーマにしたオリジナル音楽レーベルです。

ZARD、B’z、ビーイング系、小室ファミリー、歌謡曲などの時代から影響を受けたオリジナル楽曲を発表しており、全楽曲の作曲・プロデュースは MARUYA328 が担当しています。

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執筆者プロフィール

MARUYA328(中丸 勲)

合同会社momopla 代表 / 総合BGMプロデューサー

音楽制作歴30年以上。テレビ番組、企業案件、インターネット動画向けのBGM制作を手がけ、これまでに29,000曲以上のオリジナルBGM・効果音を制作。制作した楽曲は、テレビ番組、企業コンテンツ、有名YouTuberの動画など、幅広いメディアで採用されています。

現在は、オリジナル音楽素材サイト AIBGM(AI BGM Library) および FreeBGM.jp を運営し、映像制作者・動画クリエイター・企業向けに音楽素材を提供しています。公開楽曲の累計ダウンロード数は50万ダウンロードを突破しました。

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  • 音楽制作歴30年以上
  • オリジナルBGM・効果音 29,000曲以上 制作
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  • AIBGM(AI BGM Library) 運営
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